体を温めると聞いて思い浮かべる食材といえば、生姜や唐辛子などを挙げる人が多いはず。
しかし、日本人にとって身近な調味料の一つ、“味噌”が温活をサポートしてくれることをご存知ですか? 「味噌は医者いらず」とも言われますが、それに加えて体も温まるとなればぜひ日常的に取り入れたいものです。
今回は、味噌ソムリエの小野敬子さんをお招きして、味噌作りワークショップを開催。小野さんに実際に実感している味噌の温活効果や、手作り味噌の魅力などについてお聞きしました。
味噌嫌いから一転!? 味噌ソムリエが味噌に魅了された理由は?
「もともと和食にも興味がなく、味噌はむしろ嫌いだった」と開口一番。
しかしお姉様がフルーツアレルギーと小麦アレルギーを発症してしまったことがきっかけで、アレルギーについて調べたところ「発酵食品が効く?」という情報を目にした小野さん。現在小野さんが働く井上糀店に足を運び、そこで食べた味噌の味に衝撃を受けたことが味噌ソムリエになる第一歩になったそうです。
「実際に自分自身で作った味噌を口にして、その美味しさにさらに衝撃を受けました」と、小野さんは当時のことを話してくれました。
これまで味噌が嫌いだった、という人でも手作りの味噌だとなぜか食べられる! ということも多いそうですよ。
手作り味噌が美味しい理由は“思い入れ”以外にも!
それでは、なぜ手作りの味噌が特別に美味しく感じられるのでしょう? 実はそこには「自分で作ったものだから」という以外の理由があるのです!
「誰の手にも常在菌がいるのですが、この常在菌は腸にもいるものなのですよね。その手でこねて味噌を作ることで、自分自身の舌にも好みにもぴったりな味噌が出来上がるのではないかと思います」
思い入れだけではなく自分の手で作る行為そのものに味噌の美味しさの秘密があるのかもしれません。
実際、同じ日に同じ分量で味噌を作っても、作る人によって味が変わるようですよ。
一般的な味噌の基本は3種類! アレンジ次第でオリジナル味噌も!
味噌はその種類が豊富で、自分の好きな味を探すのが楽しいのも魅力です。
地域によって違いがあれど、一般的に多くの人が口にしているのが大豆に米麴を加えた「米味噌」大豆に麦麹を加えた「麦味噌」八丁味噌と言われる大豆と食塩を主原料にした「豆味噌」の3種類。食塩の含有量が低かったり、大豆に対してのこうじの量が多かったりすると味噌が甘口になります。
味噌の食べ比べでは、素材や発酵期間によってまったく味わいの違う味噌に皆びっくり!
時計回りに、米味噌、米味噌(長期発酵)、黒豆味噌、麦味噌(外側)、麦味噌、ひよこ豆味噌、米味噌(外側)です。
黒豆とひよこ豆は素材自体を変えているため、一言で味噌と言っても、普段食べている味噌とまったく違う味わいです。
手作り味噌の場合は、このようにその豆の種類を変えるなどしてアレンジしたレシピはいくらでも考えられるのです、と小野さん。 そんな小野さんは、原料や発酵期間を変えて自分の好みを日々研究しているそう。
温活女子会が実際に味噌作りを体験
あらかじめ小野さんに準備していただいた大豆、米こうじ、食塩を使って実際に自分たちの手で味噌作りも体験しました。
まるで粘土をこねるかのように大豆を潰していくのですが、これが意外に難しい! しかし、大豆の粒感も自分が好きなように調節できるのも手作りの魅力です。
米こうじや食塩を混ぜて「味噌の素」が出来上がった後の袋詰めは隙間なく詰め込むのがポイント。空気が入ってしまうとその部分からカビが生えてしまうのだそう。。
みんなでワイワイ確認し合いながら作った味噌。食べ頃は半年後! 待ち遠しいですね。
味噌ソムリエに温活女子会が質問! 味噌のQ&A
ワークショップ中には、温活女子会から小野さんへの質問が多く飛び交いました。中でも気になる質問をピックアップ!
Q1.味噌を食べる生活を始めて変わったことは?
まず体温に変化を感じました。
昨年から湯たんぽなしで冬を過ごしています。
私は便秘も解消されましたし、風邪をひかなくなったように思います。1年くらいで効果を実感しました。
味噌を食べ始めてからは肌の調子が良くなり、高い化粧品を使わなくなりました。
Q2.味噌の種類によっておすすめの食べ方はある?
私自身はこの味噌だからこの食べ方、という使い方はしていません。
ただ、発酵期間が浅い味噌はディップなどに合いますし、発酵期間が長い味噌は炒め物やカレーやミートソースの隠し味におすすめです。コクがグッと増しますよ。
また、麦味噌の発酵期間が長いものは甜麺醤代わりにも使えます
Q3.市販の味噌の上手な選び方はある?
もちろん自分で手作りする味噌がおすすめですが、市販の場合は、
・パッケージが密閉されていないもの
・こうじのパーセンテージが表記されているもの
・冷蔵販売されているもの
が手作り味噌に近くておすすめですよ。
最近はパッケージに空気穴が空いているものがありますよね。これは中で酵母が生きており発酵が止まっていない味噌になります。
また、こうじのパーセンテージが書かれていることで、その味噌が甘口か辛口か判断できます。こうじが多く入っているものがおすすめですよ
手作り味噌で楽しく美味しく温活!
味噌の食べ比べでも、「ひよこ豆の味噌が美味しい!」「塩辛い方が好き!」と人によって意見が様々でした。そんなわがままな好みに合わせて作れるのが手作り味噌の魅力。
自分にぴったりの味を美味しく食べられて、しかも自分自身にも嬉しい変化が期待できる手作り味噌。ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?
小野 敬子(おの けいこ)さん
味噌嫌いが一転、地元町田の井上糀店の味噌の美味しさに衝撃を受け、こうじ作りと味噌作りを学び、味噌ソムリエとなる。医者いらず」と言われる味噌を使い「1人1つの味噌樽を! 」をコンセプトに、味噌作りワークショップを都内、神奈川県に出張中。 「やろうよこども防災」副代表も務める。2人の娘と町田市に在住。http://misokeiko.com/ 味噌ソムリエって?
「味噌」の知識を正しく幅広く持つことで、「味噌」のよき理解者となり、幾重にもある「味噌」の魅力や文化から作られる「味噌の世界」を愛と敬意を持って、この世の多くの人々に広め(発信)、この先の人々にも継いでいくことのできる特別な資格です *みそソムリエは、「みそソムリエ認定協会」が認定する呼称資格です
(みそソムリエ協会のホームページよりhttps://tokyomiso.or.jp/sommelier/)