妊活をする人にとって、思うように結果が出なかったり正しい情報がわからなかったり、悩みは多いのに周りに相談しづらいなんて経験はありませんか?
今回の温活女子会は、そんな妊活中の人を“心と体の両面からサポート”する妊活ヨガセラピスト&NPO法人Fine(ファイン)公認 不妊ピア・カウンセラーのわたなべまさよさんにインタビュー。
妊活中の人やゆくゆくは子どもを授かりたいすべての男女に、妊活する上で知っておきたい心と体のバランスや悩みを打ち明けられる環境の大切さについて教えていただきました。
妊活中に出会ったヨガの魅力
ホットヨガや常温のヨガスタジオに通ったこともありましたが、この頃から自宅で毎日15分くらい動画を見ながらおこなうようにしたんです。
すると、体と同時に心が軽くなって、なんだかヨガはいいぞ!とのめり込み、ヨガインストラクターの資格を取得。前向きな気持ちに変化して、気がついたら妊活をサポートする側になってました!
妊活ヨガセラピーで内側にある妊娠する力を引き出すサポート
ヨガセラピーは、インドでは「ヨガセラピスト」がいて、医療をサポートするような位置づけです。
妊活ヨガセラピーもヨガだけではなく、定期的におこなうカウンセリングで今の心の状態をお聞きしながら、より良い状態になるよう体と心の両面からサポートしています。
本来、妊娠する力はみなさん持っているもの。
だけど、妊娠する力を外から取り入れようと意識が働いてしまいがちです。「自分の内側にある妊娠する力を引き出しましょう」とお伝えしています。
今この瞬間にフォーカスします。体に負荷をかけすぎないポーズをして体が伸びている心地良さを感じます。ジンワリを汗をかく程度です。
とくに呼吸を優先し、呼吸で心と体をつなぎます。呼吸が整うと自律神経が整い、睡眠の質が上がります。ぐっすり寝れると妊娠に必要なホルモン分泌も促されると言われています。
私が所属するNPO法人Fine(以下、Fine)主催の妊活ヨガは60分です。私個人のヨガでは、いくつか体を動かすヨガのクラス(60分~)の他に、おやすみ前のリラックスヨガを毎日20分オンライン(Zoom)でおこなっています。
ヨガを受けてみるといろいろな気づきがありますが、継続することが大切かなと思います。
はい。ヨガをおこなったあと気持ちが落ち着いた状態で、そのまま眠りに入っていただくことを理想としているので、毎日夜10時から20分ヨガを実践してもらっています。
今日は首回りをほぐしましょう、日曜日は瞑想をしましょう、など毎日違ったテーマで進め、妊活に限らず幅広い年齢層の方が参加されています。
「ムーンサイクルヨガ」や「癒しのヨガ」では、積極的にリラックスする練習をします。
「ムーンサイクルヨガ」はPMSや妊活、更年期、自律神経、ホルモンなどを意識した女性のためのヨガです。女性特有のホルモンのゆらぎにあらがうことなく受け入れて、自分をいたわる時間にします。
「癒しのヨガ」はパソコンやスマホの見すぎなどで、頭や目や耳、神経が休まるのは唯一夜寝るときだけという過活動の人が増えています。リラックスしましょうといっても最初はガチガチで、2〜3回ゆったりするレッスンをおこなうと、ゆるめることが上手になり呼吸が入りやすくなって肩こりや緊張もほぐれていきます。
ほかにも、「骨盤底筋ひきしめヨガ」があります。
骨盤底筋を鍛えるポーズが中心です。この筋肉が鍛えられると骨盤の内側の古い血がたまりやすい状態を改善し、子宮への血流量を促します。
骨盤底筋は股の下の筋肉で、体幹の下の部分になります。卵巣や子宮を支える、女性にとって重要な筋肉です。妊娠・産後の時期も大切な筋肉なので今から鍛えておきたいところですね。
筋トレのような筋肉を鍛える動きと、ゆるめるためのポーズや呼吸法など、どちらの側面も大切です。何より心身ともに健康な状態へ後押しすることを心掛けています。
相談できる場として不妊ピア・カウンセリングを頼ってほしい
「Fine」が支援する対象者は、現在・過去・未来の不妊体験者です。
妊活中の人に限らずこれから妊活する人や、2人目以降が授からない人、妊活を終えても過去のつらい体験が傷として残っている人などを支援しています。
主な活動は、Webサイトや講演会で情報を提供したり、自治体や国に対して働きかけをしたり、病院の調査協力もしています。
カウンセリングと聞くとアドバイスをイメージされるかもしれませんが、実はアドバイスはしません。「不妊ピア・カウンセリング」の「ピア」は「仲間」という意味で、同じ経験や立場の人としてお話を聞くカウンセリングです。
ピア・カウンセラーになる条件は、不妊治療の経験の有無ではなく、過去に妊活経験があること。心理やカウンセリングの技法を学び合格したら認定をもらえます。不妊について学びたい、自分の過去のつらい経験を乗り越えたい、誰かのために経験を活かしたいなどがピア・カウンセラーを目指す動機です。
電話相談(無料)や1対1のオンラインカウンセリング、「トパーズ」という名称でピア・カウンセラーがサポート役として入る5〜7人くらいのグループカウンセリングがあります。ほかにも、「マナティー・クラブ」というお子さんがいるグループカウンセリングもあります。
グループのメリットは、自分だけだと堂々めぐりになりがちな思考を、意見交換して他の人の意見を参考にしたり自分だけじゃないという安心感や勇気を得られたりします。
同じ悩みを抱えているその場限りの人に、気楽に本音で気兼ねなく話し合えることがすごくメリットになって、どう心が動くのか感じてもらうきっかけにもなります。グループカウンセリングを体験して、1対1の不妊ピア・カウンセリングがもっと気軽なものとして広まってくれたらうれしいです。
わたなべさんの「Fine」での活動や妊活ヨガセラピーは、悩みを相談できたり正しい情報や選択肢に出会えたりするので、ぜひ多く人に広まっていくべきだと感じました。次回は、わたなべさんの妊活体験についておうかがいします。
わたなべまさよさん
NPO法人Fine認定不妊ピア・カウンセラー。ヨガインストラクター。全米ヨガアライアンス認定 『ヨガインストラクターRYT200』指導者養成講座修了。女性のためのムーンサイクルヨガ、骨盤底筋トレーニングヨガ、不妊治療をサポートするためのヨガなど、自身の10年間の不妊体験から、妊活中の方をサポートする活動をおこなう。土曜日を除く毎日22時00分~20分『おやすみ前のリラックスヨガ』をオンラインで開催中。ライン登録いただいた月は無料で受けられます。
ライン登録:https://lin.ee/aP1HSPH
WEBサイト:http://peeryoga.space/
NPO 法人Fine~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~とは?
不妊治療患者の治療環境の向上を目指し、不妊に関する情報交換およびネットワーク構築事業、情報提供事業、啓発事業、カウンセリング事業を行なっています。
WEBサイト:https://j-fine.jp/index.html
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